30代は業務内容や環境が変わりやすく、20代より仕事で能力不足を感じやすい年代です。昇進する人も多い中、自分だけ仕事ができないと焦りますよね。
しかし、原因を探してそれに合わせた解決策を見つけることで、30代でも能力不足を解消できます。
そこで本記事では、30代が仕事で能力不足を感じる理由や具体的にやるべきことを詳しく解説します。自信をなくして何をしたらいいかわからない方は、ぜひ本記事を読んで前向きに解決していきましょう。
30代が仕事で能力不足になる理由
30代が仕事で能力不足を感じる理由は、主に次の3つです。
- 20代とは頭の使い方が変えなければいけない
- 考える仕事が増える
- 他の領域もわかる人が評価されやすくなる
まずは、30代が仕事で能力が足りないと感じやすくなる状況を紹介します。30代ならではの環境や業務の種類をチェックし、冷静に原因を考えましょう。
20代とは頭の使い方が変えなければいけない
30代になると、20代の頃のように「言われたことを早く正確にこなす」だけでは評価されにくくなります。そのため、頭の使い方を変えなければ能力不足を感じやすくなる年代といえます。
30代に求められるのはスピードや量よりも、応用力や正確性、判断の質、再現性など仕事の質です。それぞれの状況に応じた判断が必要になり、その判断が他の場面でも通用するかなども見られるようになります。
しかし、このような状況で20代と同じ頭の使い方を続けていると、能力は落ちていなくても自分のやり方が通用しなくなったと感じやすくなります。
考える仕事が増える
30代は、仕事を組み立てなければいけない場面が増えます。目的や順番、メンバー構成など段取りを自分で考える必要があり、20代の頃より柔軟性が求められます。
さらに、トラブルが起きた際の判断や調整も求められ、思考や判断、情報整理など目に見えにくい仕事が増えるのも30代の特徴です。
このような変化に慣れていないと、作業量は同じでも成果が出にくくなり、能力不足だと感じやすくなります。
他の領域もわかる人が評価されやすくなる
30代は、自分の専門分野だけに詳しい人より、周辺の領域まで理解し、全体を見渡せる人が評価されやすくなります。
例えば、自分の業務が他部署や全体の方針にどう影響するかを理解しているかです。何でもできる人になる必要はありませんが、それぞれの仕事のつながりを把握し、自分の業務や判断に活かせるかが問われます。
そのため、これまで専門スキルだけで評価されてきた人や能力を発揮してきた人は、30代になって能力不足だと感じやすくなります。
実は違う？仕事環境のせいで30代が能力不足に見えている理由
実は、30代が仕事で能力不足だと感じる背景には、仕事環境が絡んでいることがあります。
- 実力が見える形で表に出る機会が少ない
- 正解のない課題が増えて成果の基準が曖昧になっている
- 成果が出るまで時間がかかる課題が多い
- 作業の中断が起きやすくパフォーマンスが下がっている
- 担当業務のミスマッチが起きている
- 周囲のレベルが急に高くなった
上記の原因に当てはまる場合は、本当に能力がないのではなく、能力不足に見えているだけかもしれません。
30代になって突然能力不足を感じるようになった方は、仕事環境が変化していないかチェックしましょう。
実力が見える形で表に出る機会が少ない
能力があっても実力が見える形で表に出る機会が少なく、一見能力不足に見えているケースがあります。
例えば、任される範囲が非常に狭く、重要な決定はすべて上司が行う場合です。やり方が細かく決められていたり失敗が許されず無難な判断しかできなかったりすることもあります。
このような環境にいると、実力をアウトプットできる機会が少なくなります。30代になると周りはどんどん評価されるため、自分だけが能力不足だと感じることが多いです。
しかし、実際にはそもそも評価自体されていないため、能力不足かどうかもわからない状況です。
正解のない課題が増えて成果の基準が曖昧になっている
30代は自分の裁量でやってほしいと頼まれることが増え、丸投げでゴールのない課題を与えられます。
数値目標や完成条件が決まっておらず、結果やプロセスなどどこで評価されるかわからない課題は、いくら頑張っても正解がわかりません。
また、評価の基準が上司によって違ったり、具体的なフィードバックがなかったりすることも。これは、できると思われて曖昧な指示で仕事を任される30代によくある状況です。
このような課題を与えられている場合、能力不足ではなく評価される方向性が掴めていないだけかもしれません。
成果が出るまで時間がかかる課題が多い
大きな役割を任されやすい30代は、成果が出るまで時間がかかる課題を与えられることがあります。いくら頑張っても成果がなかなか出ない場合、能力不足だと勘違いしやすくなります。
長期プロジェクトやいくつも段階があるような課題なら、まだ能力不足か判断する時期ではないかもしれません。
また、上司や組織の意思決定が遅いケースもあります。上司や組織の承認や連携を待つ時間が長いと、その分成果が出るまで時間がかかってしまいます。
作業の中断が起きやすくパフォーマンスが下がっている
作業が細切れになりやすい環境にいると、集中力が続かずパフォーマンスが下がることもあります。
チャットや呼び出しが頻繁に起きたり短い会議が頻繁にあったりすると、仕事のスピードが遅くなります。思考が浅くなり、提案の質が下がることも増え、結果的に能力不足を感じやすいです。
また、即レスを求められる職場も1つの仕事に対する集中力が切れやすいです。特に、30代は質問されたり意見を求められることが多く、コミュニケーションの機会が一気に増えます。
作業の中断が起きやすい環境であれば、能力不足ではなく能力を十分に発揮できない環境にいるだけかもしれません。
担当業務のミスマッチが起きている
任されている担当が業務外だったり苦手分野だったりすると、実力が十分に発揮できないことがあります。
30代になると、元々希望していた業務以外を求められるケースが増えます。本来苦手なことでも重要な決断を任されることがあり、このような環境にいると能力不足だと感じやすいです。
適材適所の問題のため、能力不足ではありません。自分が伸び伸びと働ける環境を見つければ、能力不足が解消される可能性が高いです。
周囲のレベルが急に高くなった
30代は優秀な人材がどんどん評価され、昇格や昇給などが起きやすい年代です。決して能力不足ではないのに、周りと比較して急に能力が足りないと感じることがあります。
実際は、比較対象のレベルが急に上がっただけなので、能力不足ではありません。人と比べればキリがないので、今の自分にできることをやって地道に能力を伸ばしていくことが大切です。
仕事で能力不足を感じる30代がやるべきこと
30代が仕事で能力不足を感じたら、次のステップで解決するのがおすすめです。
- 能力不足の原因が「スキルか環境か」を切り分ける
- スキルが原因の能力不足を解消する
- 環境が原因の能力不足を解消する
- 能力不足の原因をキャリアコーチに相談する
能力が足りないと感じたときは根本原因を見つけ、原因に合う対処法を探すことで、効率よく今の悩みに対処できるようになります。
STEP1. 能力不足の原因が「スキルか環境か」を切り分ける
まずは、能力不足の原因が自分のスキル不足か能力を発揮できない環境にあるのかチェックしましょう。
具体的には、次の手順で考えるのがおすすめです。
- 能力不足を感じる瞬間を具体的に書き出す
- それぞれの原因がスキルと環境のどっちにあるのか考える
- 最後に環境だけが変わったら結果が変わるのか考える
例えば、今のプロジェクトで成果が出ておらず、能力不足を感じる場合は、まず手順や考え方がわかっているかチェックしてみてください。
また、知識や技術を補ったりほかの人のやり方を真似すればプロジェクト全体が上手く進んだりする可能性があるなら、スキルが原因かもしれません。
その後、任される裁量の範囲や上司の評価基準、集中力が続く環境か、成果が出るまでの期間などを考えましょう。
そして、最後にもう一度、自分はそのままで環境が変わったら結果が変わるか想像します。
このように、自問自答しながら能力不足を感じる場面ごとの原因を考えることで、能力不足という曖昧な悩みが具体的な課題になります。
STEP2. スキルが原因の能力不足を解消する
STEP1で能力不足の原因がわかったら、まずスキルが原因の能力不足を解消する方法を考えましょう。
おすすめなのは次の3つの方法です。
- 考えたプロセスを言語化する習慣をつける
- 考える順番を整理する
- 自分の仕事が全体のどこに影響するのか考える
思考力や判断の質、柔軟性が求められる30代は、能力不足を感じたときに頭の使い方を変える必要があります。
まず、何かを決めたらそう判断した理由や他の選択肢と比べて優先したものなどを考えてみましょう。また、考える際は目的や段取りなど全体像を決めたあとに細部を詰めるなど、考える順番を整理するのもおすすめです。
このように、考え方自体について深掘りする機会を増やすことで、30代に求められる思考力や再現性が身につきやすくなります。
また、関連領域への理解が足りない方は、今自分がやっている業務が仕事全体のどこまで影響するのか考えるのがおすすめ。例えば、上司は自分の作る資料を何の判断に使うのか、自分のアウトプットを誰が使うのかを意識します。
視野が広がれば、他の領域も理解できる人になれるだけでなく、全体を見渡した上で質の高い判断ができるようになります。
STEP3. 環境が原因の能力不足を解消する
労働環境が原因で能力不足を感じる30代は、周りとのコミュニケーションや自己評価の機会を増やすことが大切です。
成果が見えにくい業務を任せられているなら、評価基準を聞いたり進捗報告でプロセスまで伝えて途中評価をもらったりと、上司や組織とのコミュニケーションを密に取るようにしましょう。
担当業務が合っていない方や集中しにくい職場環境の方は、上司に相談してみるなど1人で悩まないことが重要なポイントです。なぜなら、環境を変えるためには周りの協力が必要だからです。
また、評価がもらえるまでは自己評価の機会を増やし、周りと比べるのではなく過去の自分と比べて能力不足を解消しましょう。
昔よりできていることがあれば、スキルアップできたと感じることが増えるので、能力が足りないというマイナスな気持ちを減らせます。
環境を変えられなくても、自己評価や比較対象を変えることは可能です。新しい視点から自分の仕事を評価することで、実は能力不足ではないと気づくことがあります。
STEP4. 能力不足の原因をキャリアコーチに相談する
能力不足を解消するためには、原因に合った的確な解決策が必要です。原因や解決策を見つけるためには、自分を客観的に見直す必要があり、1人だと視野が狭くなることも。
そんなときにおすすめなのが、キャリアコーチへの相談です。キャリアコーチは仕事に対する価値観や強みなどを一緒に分析し、今後のキャリアやそれに向けたアプローチ方法まで考えてくれます。
より仕事で活躍できるようになるために、二人三脚でサポートしてくれるので、能力不足を感じやすい30代にこそキャリアコーチが向いています。
第三者の客観的な視点から、能力不足を解消するための具体的な対処法を見つけられるので、1人で考え込みやすい方は一度キャリアコーチに相談してみましょう。
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仕事で能力不足を感じる30代は転職も検討する
能力不足を感じる30代は、理由によっては転職を検討するのがおすすめです。なぜなら、今の職場に居続けても本当の実力を発揮できないことがあるからです。
最近では、30代でも転職している人が多く、40代や50代になるとどんどん転職が難しくなります。
理由を冷静に考え、仕事自体を変えて能力不足を解消できる可能性があるなら早めに転職を検討しましょう。
努力では改善しない能力不足なら転職も選択肢に
スキルアップや考え方を変えてもなかなか状況が改善しないなら、転職するのがいいかもしれません。また、考え方を変えたことで、伸ばしたいスキルが活かせないことも。
例えば、会議の調整やほかの部署とのやり取りばかりを求められ、戦略設計や現場での実践力が鍛えられないことがあります。
さらに、判断は求められるのに最終的な決定権はすべて上司にあり、いくら努力しても評価される環境ではないケースも考えられます。
このように、環境やスキルの原因を解消しようとしても、組織全体の決まりなどを変えられない場合、能力を発揮できる職場に転職するのがおすすめです。
能力不足の30代が転職するメリット
能力不足だと感じる30代が転職するメリットは、主に次の3つです。
- 無駄な努力ではなく能力を発揮するための合理的な選択になる
- 比較して落ち込む環境から抜け出せる
- ポテンシャル採用で伸ばしたいスキルを伸ばせる
30代はまだまだキャリアチェンジできる年代のため、能力不足を感じながら消耗するより環境を変えるコストの方が小さい可能性が高いです。
また、比較されやすい30代は転職によって人間関係を変えることで、自己否定や自信喪失などが減り、安定して実力を発揮しやすくなります。
さらに、30代は実務経験だけでなくポテンシャル採用も受けられる年代です。能力不足だと感じていても、新しい職場なら伸び伸びとスキルアップできることがあります。
今の職場で働きやすい環境づくりができるなら問題ありません。しかし、自分の努力だけではどうにもならない場合、転職することで多くのメリットを感じられる可能性があります。
転職エージェントは能力を発揮できる転職先を見つけやすい
実際に転職活動をする場合は、転職エージェントを利用するのがおすすめです。
転職エージェントは、過去の経歴や希望の職種などをていねいにヒアリングし、能力を十分に発揮できる求人を紹介してくれます。
能力不足だと感じている場合は、自分の強みに気が付きにくく、面接や書類選考で自信をもってアピールできない可能性があります。
転職エージェントに相談すれば、第三者のサポートで自分に合う仕事が見つかり、同時に能力不足も解消できるかもしれません。
インテラスは、ひとや組織の活躍の場を創りだすCareer Producerです。いますぐ必要なことはもちろんのこと、 そ…
30代の能力不足は仕事内容や環境の見直しで解決できる！
30代は関わる仕事の質や求められる成果、職場環境そのものが変わりやすい年代です。そのため、能力不足を感じることも少なくありません。
多くの場合、自分のスキルか環境のどちらかに問題があるため、原因さえわかれば解決できることが多いです。
しかし、1人だと客観的に自分を評価するのが難しく、どうしても自分の努力不足で能力が足りないと感じることも。
そんなときは、ぜひキャリアコーチに相談してみてください。キャリアコーチに相談することで、今まで気が付かなかった自分の強みや能力を発見できるかもしれません。
能力不足を感じたら、落ち込んだり自己否定したりせず、専門家に相談しながら冷静に対処していきましょう。
